過払い請求する前に 借り入れ期間が大きな目安

過払い金をチェックするうえで目安に、最初に借り入れた時期と期間があります。上限金利が20%となった改正貸金業法が施行されたのが平成22年6月18日ですので、それ以前の借り入れは、高い金利が設定されていると考えられます。

更に、借り入れ期間が長ければ長いほど過払いが生じている可能性は高くなるようです。少額の借り入れを頻繁にしてきた場合や最近になって新たに多額の借り入れをした場合を除き、取引期間5年~7年で借金の半額以上もしくは全額が過払い金で充足されることも大いに考えられます。

手元にあるこれまでの請求書や領収書などのデータをもとに、正当な利率での引き直し計算をすることにより、過払い金の有無を確認することができます。

■取引履歴の入手
これまでの取引履歴が全て手元にある書類でわかる状態であれば問題ありませんが、それはなかなか少ないケースのようです。貸金業者との契約書や返済時の領収書などは、家族に知られたくないためにすぐに破棄してしまう場合もあるかと思います。

そんな時は、貸金業者に取引履歴の開示請求をする必要があります。貸金業者には、それらの情報を開示する義務があるとされており、もしも開示を拒否するとか一部の開示しかしないようであれば、行政指導をしてもらうこともできます。

引き直し計算ソフトをダウンロードしたり、過払い金の無料診断をしてくれるサイトがあったりと、インターネットを活用する方法もありますが、開示請求など専門的知識の必要な交渉事には、弁護士や司法書士に依頼をするのが有利とされているようです。

自己破産と総量規制

■総量規制とは
2010年に改正貸金業法による総量規制が施行されました。総量規制とは、過剰貸付を防止する制度で、借入総額が、原則年収の3分の1を超えると貸金業者は、ご利用者に新たな貸付ができないというものです。

これにより、貸金業者をご利用になる方の借入残高は制限されます。とはいえ、これはあくまでも業者を規制する法律ですので、仮に現在、借入が年収の3分の1を超えている方がいらっしゃっても、ご利用者が処罰される事はありませんので心配は不要です。

また総量規制は個人顧客が対象ですので、株式会社や有限会社といった法人が借入をする場合は、年収の3分の1などという制限はありませんし、加えて、個人事業者などもこの規制の対象外になります。

■規制でさらに深刻化
この総量規制は本来、過剰貸付を抑制し、社会問題となっていた多重債務者と自己破産者の増加を食い止めるための法整備でした。ところが、単に貸付額を制限してしまったため、借入審査の厳格化へつながったと言われています。

これにより、今まで金融業者から借入をする事ができていたのに、借り入れられなくなったという方が続出する事になりました。結果的に多重債務者は減少傾向と言われていますが、現在借金を抱えている方は、新規の借入が難しくなり、やり繰りがより困難になったとも言えます。

また統計によると、こうした新規の借入が制限された利用者の多くは「債務整理もしくは自己破産の申請を考えている」と回答しており、問題の深刻さを浮き彫りにする結果となりました。

債務整理に必要な準備について

■債務総額の把握
債務整理には、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産と4つの方法がありますが、そのうちのどの方法をとる場合も、事前にしておくべき準備があります。まずは借金全体の金額の把握です。

借金が増え、複数の債権者からの多重債務に苦しめられるような状態に陥ると、どこからどのくらいの額の借り入れをしているのかを正しく認識できなくなっていることがあります。これから行おうとしている手続きのためにも、一度冷静に全ての請求書に記載の請求額を書きだすなどして債務総額を把握する必要があります。

更には、過去にこれまで支払ってきた金利や利率についても調べておく必要もあります。支払った分の領収書などもなくさず大切に保管してあれば、大いに今後の手続きの助けとなり、過払い金返還請求時の重要証拠にもなります。

■費用と報酬
債務整理に必要な書類の作成や届出、交渉事にいたる全般を代行してもらうために弁護士や司法書士に依頼をする訳ですが、当然、それに対する費用の準備も必要となってきます。弁護士や司法書士にかかる費用は、債務整理の方法や個々人の債務残高によっても異なりますが3~50万円程となっているようです。

それは債務整理を考える者にとっては厳しい現実といえます。収入を得る見込みがなく自己破産する道を選ばざるを得なかった時、その費用さえも支払えない場合の救済措置として、法律扶助制度があります。

法テラスにおける民事法律扶助がそれに代表されるものですが、裁判費用や弁護士(司法書士)報酬を法テラスが立て替えるといったものです。法テラスの弁護士や司法書士はそれ以外の報酬の請求を禁じられており、立て替えてもらった分は、極々負担の少ない形で法テラスに返済していくという仕組みになっています。

■債務整理に関する知識
通常の3~5割の安さで弁護士や司法書士を依頼できる法律扶助制度ですが、万人が利用できるものではないという注意点があります。この制度は、生活保護を受けているかそれに準ずる場合のみ適用されることになっています。

また、利息制限法による過払い金返還で借金の減額を期待していた場合も、みなし弁済規定が適用され、高すぎる利息を払っていたとしても有効な利息とみなされてしまう例外の存在も念頭に入れておかなくてはなりません。

弁護士などの専門家に債務整理を依頼したり、裁判所に申し立てを行ったりした後も取り立てを受けたような場合は法的手段をとれることなど、専門家のアドバイスを受けながら様々な知識を得ることも重要となってきます。

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